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◆2007/05/26
こちらからの続きで。
案内放送が終わり、しばらくするとドアをノックする音。やって来たのは車掌さん、お約束の切符拝見と部屋の鍵を受け取る。北斗星の3号と4号はJR東日本車で運転というわけで、受け取った鍵はカードタイプ。初めて乗るので使い方のレクチャーを受ける。

受け取ったカードキー、これは「差し上げます」ということなので持ち帰り。
ちなみに1号と2号はJR北海道車で普通の鍵が貸し出される。
これで終わりだと思いきや、「記念のオレンジカードはいかがですか?」と商売されてしまったのと、それなら、少しでもJR北海道の売り上げ貢献に役立てれば幸いというのも加わって、「じゃあ、頂きます」と1セットお買い上げ。

北斗星とカシオペアの画像が入った立派な台紙。

裏面は青函トンネルの断面図と編成表になっている。

中は2枚のオレンジカードと乗車証明。左は「寝台特急北斗星ご乗車記念」と書かれたカード、右は「青函トンネル通行記念」とあり、トンネル断面図と「青函トンネル53.85kmを通行したことを証明いたします」、「北海道旅客鉄道株式会社 札幌車掌所長」と証明印がある。まぁ、正確にはこの時点ではまだ通行していないのだが、それをいうのは野暮というものだろう。
しばらくするともう一度ノックの音。今度は食堂車のスタッフさんでウェルカムドリンクを持ってきてくれる。

ウェルカムドリンク。白の小樽ワイン、ハーフボトルとウィスキーのミニチュアボトル。ミネラルウォーターにお茶と氷のセットと、一人で飲むには、もう十分すぎるほどの内容。更に自分で持ち込んだ缶ビールもあるわけだし。(笑
ところで、受け取った飲み物をテーブルに置こうとして、ふと目に付いたものがある。それはこれ。

ああ、こんなところに国鉄時代の名残が。
きっとタネ車に取り付けられていたものを移植したんだろう。
列車は苫小牧を出たあたり、外は冷たい雨だが、せっかくのドリンクなので早速開けることにしよう。基本的にワインはそれほど飲まない人なので、ワインオープナーの扱いに七転八倒するお約束はともかくとして、この小樽ワイン、かなり甘めのワイン。正直、あまり好みの味ではないが、逆に言えば飲みやすいのは間違いない。
自在にコントロール出来る部屋の明かりを少し落とし、暗めの部屋で外を眺めながら傾けるワイングラスはとても気分良く、すぐに空けてしまう。続けてウィスキー、弁当を肴に飲み始めたらもう止まらないやめられない。持ち込んだビールも空けたら、列車の揺れとスーパーちゃんぽんが相まって、まぁ、アルコールの回りが早いこと。パブタイム開始のアナウンスを聞く頃にはすっかり出来上がり、行くつもりだった食堂車も「もういいや」と、そのままベッドになだれ込む。
ガタガタとポイントを渡る音と揺れに目が覚めると、ちょうど函館のホームに入る頃。このまま寝てしまうのはあまりにもったいないのと、北斗星4号の停車駅の中では数少ない6分停車なので、ここは外に出てみる。外に出て前の方、札幌で撮れなかったDD51の顔と切り離される作業を撮りに向かったものの、

一足遅く、間に合わなかった……

今頃、反対側ではここから牽引するED79が連結されているはずだが、そこまで行く時間もないので、今度は最後尾になるオハネフ24の写真を撮りながらホームをぶらついていたり。それにしても、体はアルコールが充満しているはずなのに、こうして写真を撮っているとシャキッとしてくるから不思議な話でもある。
函館は定刻発車、今度は逆方向に進む。さすがに怠くなってきたのでシャワーを浴びてから寝るとしようか。

ベッド側からシャワー室を見る。お湯が出るのは10分間だが、ドア左上にある「シャワーご利用ボタン」を押せば10分が復活し、結果として何度でもシャワーを浴びることが出来る。ロイヤルは基本的に1人室だが、2人でも利用出来るようになっているので、そういう配慮なんだと思う。

少し斜めから見る。上は折りたたみ式の洗面台で、下の楕円状は引き出せばトイレになる。
水のまま全然お湯にならないなんてギャグのようなこともなく、シャワーの後はベッドメイキング。元々、十分すぎるベッドの大きさだが、せっかくなので内緒で補助ベッドを出してみよう。噂で引き出すのが重くて苦労するというのを聞いていたが、意外なほど軽くて、カラカラと小気味いい音を発し、本ベッドの下から補助ベッドが出てくる。

補助ベッド下にあるレバーを操作するとベッドが持ち上がり、セッティング完了。これでベッド幅が2倍になる。ただし、今度は噂通りに部屋一面がベッドで埋め尽くされることになる。

これで照明やオーディオ類をコントロールしようとして、ベッドから落ちなくてすむ。
外はそろそろ青函トンネルに近づく頃、青函トンネル前に何度となくトンネルの出入りを繰り返すので、初めての人だと、いつ青函トンネルに入る(入った)のか、どれが青函トンネルなのか、すごく分かりにくいと思うが、これはこの区間を一度でも乗ればすぐに分かる。青函トンネル内は恐ろしいまでの湿度なので、トンネルに入った瞬間に窓の外が曇り出すから。
というわけで、窓が曇ったのを確認して、おやすみなさいZzz
※ SONIC RAIL GARDENさんで全く同じ車両(オロハネ24 501)、同じ部屋(3号車2号室)に乗られたレポを掲載されています。食堂車の様子や車内設備など、非常に細かく載せていますので、そちらも参考になさってください。トップページから「TRAVELog」→「青函エリアに懐かしの名優を見に行く旅」→「寝台特急
北斗星4号」でどうぞ。
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◆2007/05/27
翌朝、6時30分過ぎ、仙台到着のアナウンスが流れて目が覚める。

「ハイケンスのセレナーデ」で目覚める朝は、鉄ヲタにとって至福の時だったというのを思い出す。やはり夜行列車の朝はこれでなきゃいけないと思う時というか、サンライズの3打点チャイムでは、今ひとつ、すっきり起きられないもの。
まだ7時前の仙台駅、しかも日曜日なのにホームには多くの学生がいる。部活か、あるいは試合でもあるのだろうが、そんな彼ら彼女らの「冷たい視線」を浴びるのも夜行列車の宿命とも言えるだろう。もっとも、こちらは優越感でお腹がいっぱいになるが。

7時30分、モーニングコーヒーと新聞が運ばれてきた。コーヒーは紙コップではなく、ちゃんとしたカップで持ってきてくれるのが気分いい。ただし、肝心のコーヒーはちょっとぬるめなのが残念。
このモーニングコーヒー(または紅茶)、前夜、ウェルカムドリンクを運んでもらった際、時間を指定することが出来る。一応、朝7時からという話だったが、どうやら、それ以前でも頼めば持ってきてくれる模様。スタッフにもよるかもしれないが。
受け取ったコーヒーを飲み、新聞を読み、外を眺めながらしばらく過ごす。

新幹線の高架に、これから田植えが始まるであろう水田。日本の初夏の原風景がここにある。
昨日の北海道は寒かったが、今日は逆に暑いぐらい。軽く冷房を入れてみる。

補助ベッドを仕舞い、背ずりを降ろしてソファモードにしてみた。補助ベッドを片付ける際、体重を掛けてベッドを下に下げるのが楽しくて、つい何度もやってしまうあたり、やっぱり男の子だなと思ったりもする。

木目の壁に白熱灯が醸し出す重厚な雰囲気はなかなか気に入った。今度はJR北海道車にも乗ってみたい。
外を眺めたり、二度寝を繰り返したり、もう一度シャワーを浴びたりするうち、列車は郡山を過ぎ、9時を回ったあたりで食堂車に行くことにしよう。さすがに、この時間になれば空いてるだろうから。

朝の通路、夜とは雰囲気が全然違う。

人多すぎで殺伐としていたロビーカーに一瞬ビビりながら先に進むと、食堂車は空いているどころかガラガラだった。
メニューを見ると以前とは大きく変わっていることに気がつく。前は和朝食と洋朝食の二種類があったが、最近になってメニューの改編が行われたらしく、朝食は一種類で、これにパンとスープが付くセットとご飯と味噌汁が付くセットという形式になっていた。もしかすると、数量限定のために毎朝のように発生していた「和朝食狂想曲」を無くすのが目的かと思うのは、邪推しすぎだろうか。
そんな勝手な想像はともかく、今朝はご飯よりもスープが飲みたかったのでパンをチョイス。

正直、こういうプレートで出されるのより、ちゃんと皿に盛るべきだろうと思うのだが。単に朝食を食べるだけなら別にコンビニのおにぎりだって構わないわけで、何よりこういう列車だし、雰囲気というのは一番大事だと思う。
と文句を言ってみても、朝からこうしてゆったりと食事が摂れる列車は、この北斗星2往復とカシオペアにトワイライトエクスプレスしか残っていないし、その稀少性と天秤に掛ければ、ちょっとぐらいの合理化なんか大したことじゃない、かな。
部屋に戻り、再びノンビリごろごろ。4号の上野到着は11時19分と、ゆっくり出来るのが嬉しい。これぞ「時間の無駄遣い」とも言える行為は、それこそ分単位で普段の生活をしている者にとって、何物にも代え難いものだと思う。

大宮を出たあたりでスペーシアと行き違う。こんな場所で東武の車両と出会うのも時代の流れか。

荒川を渡ればゴールはすぐそこ。

11時25分、6分遅れで上野到着、約1200km、16時間にわたって走り続けてきた碧い車体は13番ホームに歩みを止める。
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◆乗車後
札幌〜東京都区内、乗車券と特急券と個室寝台料金で約36,000円。飛行機で一番安い超割運賃なら約13,000円。かつては飛行機が贅沢な乗り物だったが、いつの間にか立場は逆転し、こういう列車の旅が時間もお金もかかる贅沢な乗り物になってしまった。もちろん、単なる移動の足ではなく、列車に乗ること自体を楽しむというのは私にとっても大歓迎だが、それは別な見方をすると、鉄道は「移動の足」としては使われないと言うこと。「乗ることを楽しむ豪華列車」をコンセプトにしなければ、もはや生き残れない夜行列車の現実だと言うこと。かつて「足」として、日本全国縦横無尽に走り回っていた夜行列車が限りなく全滅に近い今、改めて鉄道の置かれた立場というものを考えてしまう。
あまり関係が良好とは言えないJR各社間。更に北へ延びる新幹線。マイレージによる客の取り込み合戦や運賃競争が激しい各航空会社間。この先の将来、夜行列車にどんな現実が待ちかまえているのか、ハッキリ言って私は考えたくない……

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