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◆群青の空を越えて
| 僕らが空に夢見た理想は この翼では届かない (OP曲『アララト』より) |
何でこういうゲームがエロゲで出るのかというか、こういうゲームがエロゲで出るからまだまだ面白いと言った方がいいのか。
OPムービーに至っては、一部背景CGを除けば全て3Dによるグリペンのシーン、女の子は何ひとつ出ませんし、何も知らないで始めたら、これがエロゲとは思えないでしょう。巷に溢れる萌えゲとは明らかに一線を画しているゲームです。
普通、エロゲにおける登場人物の男女比は圧倒的に女の子の方が多く、中には男は主人公一人だけという猛者もあったりするのですが、このゲームでは、声だけのキャラを含めれば男の方が多いという非常に珍しいゲームになってます。というか、それ以前にパッケージ裏面、一枚もHCGが無いんですけど。(笑
などと考えながら感想。
ゲームは内戦状態に陥った現代日本(近未来とありますが、現代と見て構わないでしょう)が舞台です。筑波をメインに、理想を信じ、関東の独立のために自ら志願した航空学校の予備生徒(いわゆる学徒兵)が繰り広げる青春群像です。ジャンルに『本格未来架空航空戦記ADV』とありますが、戦闘シーンはそれほど多くなく、むしろ心理描写がやたらと細やかなので人間ドラマとして見るのがいいと思います。航空学校が舞台ということで、学園モノとして普段は青春を謳歌する彼らの姿と、徐々に戦況が激しくなり、戦時の緊張感、焦燥感、そして喪失感で覆われる彼らの姿とのギャップ。また常に「なんのために戦うのか」と自問する彼らの姿、これらが絡み合い、プレイヤーに突きつけながら話は進みます。
設定自体がかなりぶっ飛んでいるため(笑)、プレイ初期では「ああん?」となってしまいますが、政治面、経済面、国際情勢面で細かい理由付けがなされていること、そして実際にある地名などから、ゲームを進めていくうち全く気にならなくなってきます。もっとも、これは私が「道志川沿いの小学校」と言われて、即座に「ああ、あそこか」と場所と光景が浮かんだせいもあるかもしれませんが。
戦闘シーンは多くないと言っても、ルートによっては激しい地上戦を繰り広げる展開があり、ここではこれでもかと言うぐらい友の死を見せつけられます。大切な人を守るために戦う、たとえそれで死ぬことになってしまっても、愛する人が死んでいく姿は見たくないと言った彼らの姿は儚くも綺麗ですが、同時に、守られ残された側からすれば、それは心を閉ざしてしまうほどの大きな傷として残ってしまう、理想を信じ「関東万歳」と散っていった友の姿もプレイヤーからすればたた後味が悪いだけ、そんな綺麗事だけじゃすまされない戦争の姿をきちんと書いていたりと決して戦争賛美じゃなく、また、お涙頂戴でまとめなかったのは大いに好感が持てます。
そうだ、ちょっと余談になりますが、このゲームをプレイするにあたって、60〜70年代の学生闘争(紛争)を調べておくと、少し面白いかもしれません。エロゲをするのに、なんでそんなモノまで調べなきゃならないのかというギャップを含めて。(笑
このゲームでは視点がコロコロ変わるため、主人公に対する感情移入は確かに低くなりますが、逆に物語への感情移入は大きくなると思います。
で、全員の個別ルートを終えると開くグランドルート、始めた頃からプレイヤーが培ってきたゲームの印象を、別視点で見せることでぶち壊すというのは『僕と、僕らの夏』でもやってましたが、それはこのゲームでも健在です。もっとも群青では同じ話ではなく全く別な話、それも今まで敵として描かれていた関西軍(と言ってもある個人ですが)の視点も絡めての話になっていますが。
このルート、ラスト近くで各キャラが「今までなんのために戦っていたのか」をアララトの曲に乗せて叫びます。ハッキリ言ってこのシーン、めちゃくちゃに震えます。マウスを持つ手だけじゃなく、背筋、いえ体全体が震えます。と同時に、私がゲーム初期から感じていた「この戦争の意義」と「なんのために戦ってきたのか」が壊されていた、というか大きく変わっていることに気が付きました。それも最後の最後、画面が暗転した後の社のひと言によって……
これ、もし早狩氏が最初から計算ずくだったとしたら、徐々に変化していくプレイヤーの心情を最初から計算済みで、ああいう形で気付かせるためにプレイヤーを陥れたのだとしたら、ただただ“恐ろしい人”としか言いようがありません。もちろん、普通の人はとっくの昔に気が付いていて私が単に鈍いだけ、たまたま私があの時点で気が付いただけという可能性も非常に高いですけど。
シナリオを完成させるまで2年、すっかり「燃え尽きた」というお話ですが、早狩氏のその気概はプレイしたこちらにも伝わってきました。何しろ、最後のグランドルートを一気にプレイし、こちらも見事なまでに「燃え尽き」ましたので。
と、文面硬すぎで思い切り疲れたんで、もっと気楽に行きます。私らしくないし。(大笑
この主人公、案外ヲタが入ってますね。普通の人が「属性」とか「腐女子」なんて言葉は使わないでしょうし。あと、コールサインで「せめてオロネに」と言うあたり鉄分も混じっているようです。(笑
ちょっと理解出来ないのがリプレイモード(回想モード)。Hシーンだけじゃなく、見せ場となるイベントやエンディングが入っている名場面集になっているのは有り難いのですが、その選択基準がよく分かりません。若菜と聡美のPXでのアレなドタバタが入ってるのに、なんで加奈子の「大丈夫、あたしが社を空に返してあげる」が入っていないんだと。このシーン、CGはもちろんあるしムービーだって流れるのにー。(結構大きな叫びw
や、あのドタバタ、笑えるからそれはそれでいいんですけど。(ぉ
グランドルートも含めた各エンディング、確かにスッキリしないエンディングが多いけど、私はこっちのが好みかな、脳内補完すればいいだけの話だし。ただひとつだけ、俊治と加奈子が一緒になる話だけは絶対に欲しかったですね。加奈子ルートのラストがあまりにも切なすぎだし、というかひょっとして完全版のために残しているとか?(えー
いろいろと“萌え”はないゲームと言われますが、私的には、これ立派に萌えゲです。例えば、
やたらと甘ったるい若菜との初えっちとか、
初めてで失敗して落ち込む主人公とか、(マテや
パンツを巡る圭子との会話とか、(僕夏の貴理を思い出したのは言うまでもなく
「やおい穴」とかセイラさんのお守りとか、(まさかこのネタで来るとは思わなかったよw
グランドルートで哀しいぐらいに子供の心だった美樹さんとか。(冬子さんとダブる
などなど。あ、そうそう、忘れてならないのが、
迷彩服と鉄兜姿で「総員着剣」と叫ぶ香坂二槽にハァハァとか、
74式戦車が轟音とともに走る横で62式機関銃を引っ張り上げる加奈子たんハァハァとか。
あー、何気に偏ってる気がするのは気にするな。
ともかく、「にゃん♪」とか言うキャラに全部の人が萌えるわけじゃないですよということで。
最後に、オマケの小冊子のコメントより。
| もっとも、ヒロイン全滅ルートを実際に存在させていたら……どんな評価を受けたんだろう。 |
………… ……………………
うああ、見たかったと思うオレガイル。(コラッ
完全版で是非。(マテってw
もひとつ、おまけ。
せめて『井上成美』の読み方ぐらい、声優さんに指導すべきではなかったかと思われ。(え
プレイ中の日記はこちら。
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